9月11日 お天気:☀晴れ☀ 水温28度 透明度:15〜20m
【ポイント】 AM:サウスウエストピナクル ⇒ スリーロックス 【見られたお魚】
キンセンフエダイ:クロホシフエダイ:ホソヒラアジ:ヤイトハタ:タカサゴ:ユメウメイロ:ハナビラクマノミ:イエローテールバラクーダ:アカオビハナダイ:ダツ:ゴマモンガラ:ニュウドウダテハゼ:ヤッコエイ:チドリミドリガイ:ナマコの内臓(キュビエ氏器官):ヒトヅラハリセンボン:トウアカクマノミ:フトユビシャコ(ヌード):コモンヤドカリ:テッポウエビ:ワカヨウジ:モヨウフグ:綺麗なミノウミウシ(筆者チーム見れず):etc....
【本日の認定ダイバー】皆さん本当におめでとうございま〜す!!
★OWコース★ 『イシカワ タカヒトさん』
プロ野球の世界では良く出てくるフレーズであるが、人間には【好不調の波】がある。例えば日本社会で『今日は調子が悪い』という表現は、体調不良をさす場合が多く、『今日は調子が良い』という表現も、肩こり、腰痛などの軽い持病を抱えている人が今日はあまり痛まないという意味合いで使ったりする。
プロスポーツ選手のような自らの肉体を武器にパフォーマンスを見せる職業の場合、好不調のレベルはかなり高い所にある。体調は万全でどこも調子悪くないのにも関わらず、直球が走らない、ストライクが入らない、などごくわずかな調子の波が勝負に大きく影響する。それを冷静にキャッチャーが判断し、調子が悪ければ、悪いなりのリードを考えなくてはならない。
ダイビングのインストラクターにも当然好不調の波があり、筆者の場合、朝の喋りでその波を判断している。調子が良い時は、舌も滑らかに、アドリブを交えた内容の濃いブリーフィングを、かなりのハイテンポで喋る事が出来たりする。しかし、海というのは流動的で、陸の調子の良さがそのまま反映される訳ではなく、『ブルペンでは1億、マウンドでは500万』そう揶揄される元楽天(現ヤクルト)の一場投手のようなダイビングも多分に展開される訳である。
本日久しぶりに朝からの快晴の金曜日、一本目は久しぶりのサウスウエストピナクルで、初回から完封を意識するぐらい舌が絶好調の筆者は、ハイテンポのブリーフィングと軽妙なアドリブを仕掛け、海へ突入。透明度はもうちょいと言った所ながら、ホソヒラアジの群れは1週間前よりさらに大きく動き回り、ヤイトハタも水底に同時に4匹見えるまだまだの健在ぶり。しかし、キンセンフエダイは何故か全盛期の10分の1ぐらいに減少し、シェベロンバラクーダも姿を見せず、さらにウミウシの生態をたっぷりブリーフィングしたのにも関わらず、発見出来ない等、ブルペンで球が走っていただけに残念な一場ダイビングとなってしまった。
そして2本目は、港近くのスリーロック。流れがあり透明度も悪いという悪条件の中、相変わらずブルペンは絶好調。しかし、今回はお客様のイソップ&えりちゃん&ヒロちゃんのバック3人に助けられながら、チドリミドリガイ、ヤッコエイ、フトユビシャコなど砂地ならではの生態系を観察、やはり調子の悪い時は、独り相撲をとらず、仲間の助けを借りるのが一番良いという事を改めて実感したダイビングであった。
先日メジャー通算2000本安打を達成したイチロー。彼は間もなく9年連続200本安打を達成しようとしているが、このとてつもない大記録は、好不調の波をどれだけ小さくするか、いわゆる常に最高のプレーをファンに見せるプロとして超一流の証である。この秘訣をイチローは『普段の生活リズムを毎日全く同じにする事』と語っている。第69代横綱白鵬も何歩で塩を取りに行き、どの高さどの角度で投げるなど、好調を維持する為、自分の仕切りを科学的に検証している。
朝昼晩といつも同じ食事を口にし、休みの日はシーシャを吸いながら、プリズンブレイク。いつも同じ時間に寝て、同じ時間にコンタクトをつける。科学的に検証しなくても、毎日寸分たがわぬ同じ生活リズムを維持している筆者だが、同じ食事をしても辛さは毎日違い、風の強い日もあれば、洗濯物が戻ってこない日もある。リズムを全く同じにする・・・タオ島でタイ人と自然を相手にしていると、これがどれだけ難解な事例かが良く分かる。
恐らくタイの南の島でイチローや白鵬は育たない。
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