6月15日 お天気 ☀晴れ☀ 水温30度 透明度:15〜20m
【ポイント】 AM:サウスウエストピナクル ⇒ ホワイトロック
【見られたお魚】 シェベロンバラクーダ:キンセンフエダイ:クロホシフエダイ:ホソヒラアジ:ツムブリ:イトヒキアジ:アカオビハナダイ:ヤイトハタ:ササムロ:ユメウメイロ:バラクーダの子供:コバンアジ:ハナビラクマノミ:イエローテールバラクーダ:ブルースポッテドスティングレイ:ギンガハゼ:ツキチョウチョウウオ:ハタタテダイ:ゴマモンガラ:ソラスズメダイ:ダツ:ワヌケヤッコ:オドリカクレエビ:トウアカクマノミ:ホルトハウシ:ミナミウシノシタ:オニカサゴetc....
自然界では、【擬態】という言葉が存在する。体を何かに似せるというこの行為は、昆虫、魚、動物などにおける生存戦略の一つであるが、この擬態にもいくつかの種類があり、中々その分類は難しい。
周りの背景に体をカモフラージュし捕食をするオオカマキリ、枝に体を似せて身を守るナナフシなど、このタイプは【ぺッカム型擬態】と呼ばれる。一方、オオスズメバチとほぼ同じ体色を持っているが、まったく本人に毒は無く、力も弱いスズバチ。このタイプの擬態は【ベイツ型擬態】と呼ばれ、オオスズメバチを警戒した鳥などから身を守る重要な役割を果たしている。残念ながら、人間社会では言葉自体あまり使われず、「コージー富田はタモリに擬態してテレビに出ている」などと言われる事はあまり無い。
本日の一本目は、サウスウエストピナクル。中々の透明度の中、まずはブイの下から密集した集団のバラクーダの幼魚が登場。さらに進むと、もうサウスのベテラン勢と言っても過言ではないホソヒラアジ、キンセンフエダイも若手に負けてなるものかと密な群れを形成する。バラクーダ、アジなど銀色の魚は、海の色に擬態していると言われ、ぺッカム型擬態の一つに数えられる。群れを作って捕食者から身を守り、さらに海の色と体を似せてカモフラージュする。5億7千万年の歴史が語るさすがの生存戦略である。
2本目のホワイトロックでは、砂地と岩地をバランスよく回り、砂地ではトウアカクマノミ、岩地ではイエローテールバラクーダを堪能。そして、ゆっくりサンゴの上をホバリングしながら、ワヌケヤッコを追いかける。ミナミウシノシタは砂地の模様に上手く擬態し、オニカサゴは見事なまでに岩に擬態する。彼らの長い時間をかけた進化による体の変化、やはり5億7千万年の歴史は深い。
最近、町でたまにタイ人に間違われることがある。聞くところによると、タイにもやはりツーリストプライスが存在するらしく、タイ語を完璧に話すことができれば、我々が払っている食費の半分以下で済むらしい。完全日本人顔の筆者を見て、何を根拠に間違えているのかは分からないが、突き詰めてタイ語を勉強すれば、タイ人にぺッカム型擬態する事は可能ではないか?そして、食費半額以下計画は成功をおさめるのではないか?
しかし、人間界で擬態は難しい・・・諦めかけた瞬間、ふと10年前のある出来事を思い出した。当時タモリの付き人をしていた筆者は、銀座に飲みに行ったタモリを車で待ち、時間になったので迎えに行くことになった。しかし、金曜日の夜12時の銀座コリドー通りなど1メートル動くのに30分掛かる。タモリは時間にうるさく、なんとしてでも時間通りに行きたい、考えた筆者は、黒塗のバンの窓を全開に開け、帽子を取りサングラスを掛け、窓越しにドアをバンバンと叩いた。タクシーで大渋滞だったコリドー通りは即座にタクシーが横道に入って居なくなり、時間どおりにタモリを迎えに行くことが出来たのだ。
こっこれはまさか・・・ヤクザへのベイツ型擬態ではないのか!?
そう言えば、黒塗のベンツは何時間止めておいても駐禁を切られないと聞いたことがある。人間社会における擬態の存在・・・。
筆者がタイ人になる日は近い。
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